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2008年04月21日

集合の全体を見渡す力が問われます 2008-04-21



集合の全体を見渡す力が問われます


1001から3139までの数について、数字0が現れない数はいくつありますか。


4人の中から3人を選ぶ選び方と同じ手法ですね


区切って数えていきます。1001から2999を考えます。

1□□□、2□□□を考えたとき、0が現れないということは、□の中に1から9までの数字しかつかわれないということです。

よって1□□□は9×9×9=729通り、2□□□は9×9×9=729通りあるので合わせて1458通り。


3000から3110まではすべて0が使われている。3111から3139までを上と同じように考える。

つまり31□□で□に0を使わないというのは1から9までで構成されているということ。

十の位は1か2か3の3通り、一の位は9通りあるので3×9=27通り。


よって合計1458+27 =1485通り



ヒントの問題はだれもが一度は触れているもののはずです。

ポイントは全体から求めたい集合をのぞいたもの(補集合)を上手く活用するということです。

これは、本問のような場合の数だけでなく、求積問題などでも非常によく使われ、有用な視点です。

(全体から余分なものを求めて引くというもの)どちらに着目しても、答えにたどり着くことは可能なのですが、そこは出題者も意図していて計算量、難易度に大きく差がでるように設計します。

求めたいもの自体を、違った形に変形して求めることは可能か。問題の主旨を損なわずにすり替えることは可能か。という意識は常にもちながら問題に取り組むことが必要です。


2007年10月15日

問題文の「少なくとも」をうまく言い換えて、計算を出来る形にします。 2007-10-15



問題文の「少なくとも」をうまく言い換えて、計算を出来る形にします。


Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Gさんの7人がかけっこをしました。 ありえる着順を考えます。AさんがBさん、Cさんの少なくとも1人よりも先にゴールするような着順は何通り考えられますか。同着はないものとします。


ノーヒントです。
 

Aさんが、BさんとCさんの少なくともどちらかより先にゴールするということは、Aさんは「この3人の中で最下位ではない」と言い換えることが出来ます。

ここで考えられるすべての着順は
7×6×5×4×3×2×1=5040通りありますが、これらはAさん、Bさん、Cさんの3人にだけ注目して、
(ア)3人の中でAさんが最下位
(イ)3人の中でBさんが最下位
(ウ)3人の中でCさんが最下位
の3つに分けることができます。
問われているのは(ア)以外ですが、(ア)も(イ)も(ウ)も同じ確率で起こりうるので、
(イ)と(ウ)の合計は5040×2/3=3360通り。

答え:3360通り


言い換えの効用について学ぶ問題です。

「少なくとも」という表現は幅がありますので、その幅をしっかりと確定させ、計算処理するための下地を作る必要があります。

特に場合の数に関しては、問題文の指示する数えるべきものをうまく言い換えると簡単に数えられるものに変換できることがあります。

「問題文の条件は、より使いやすい形に言い換えることはできないか」と探る視点と、正しく言い換える正確な論理能力が問われる問題でした。


2007年06月25日

灘中より。無粋な手法の中にも答えがあります。 2007-06-25



灘中より。無粋な手法の中にも答えがあります。


下の2つの図は、各面に1から6までの数が書かれた立方体の展開図である。それぞれの立方体の1つの頂点に集まる3つの面に書かれた数の和を考える。この和のうち最大のものは(図1)では15、(図2)ではいくつか。
         


(灘中)


そもそも頂点の数は・・・。


組み立てた状態を考えると下の図のようになります。

頂点は8こなので、8つの頂点についてすべて調べてみます。
すると
4+2+3=9、
4+2+6=12、
4+1+3=8、
4+6+1=11、
5+1+3=9、
5+3+2=10、
5+2+6=13、
5+6+1=12
となり、最大のものは13。

答え:13


「最大」を生み出すメカニズムについて検討する姿勢はとても大切です。

しかし、場合の数など組み合わせについて考える問題においては、
そもそも検討すべきパターンがいくつぐらいあるのかについて概算してみる姿勢が大切です。

本問では実は8つの頂点についてしらみつぶしに調べればすぐに終わります。

~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
作業量の見通しを常に検討する姿勢が大切

「しらみつぶし」は、上位の生徒にとって、そして指導者にとってあまり洗練されたものではありません。

しかし、状況に応じて「最善」である場合もあるのです。


例えばさいころ問題では2個のさいころであれば36通りの組み合わせしかありませんから、
すべて調べてもたいした時間はかからない上に、確実です。

反対に4個ですと、1296通りですから、何か法則を見つけなければ太刀打ちできません。

解法を決めてかからず、解いている最中でも常に別の道筋を検討する姿勢は、
本校が生徒に期待する学問に対する姿勢に他ならないといえます。


2007年04月16日

ラサール中より。パターンを生み出す基本原理を見つけ出す力が問われます。 2007-04-16



ラサール中より。パターンを生み出す基本原理を見つけ出す力が問われます。


1もしくは2を小さい順に左から並べて、ある整数を1と2のみの和として表すことを考えます。例えば、5という整数については1+1+1+1+1、1+1+1+2、1+2+2の3通り考えられます。このようにして2006を1と2のみの和として表すとき、その表し方は何通りありますか。

(ラ・サール中)


順序は自動的に決まりますので、それ以外の部分にのみ着目すればよい問題です。


小さい順に並べるので、場合分けされるのは1と2の個数によってのみであることに着目する。
2の個数は最大でも2006÷2=1003より
2+2+・・・・・・+2という形で1003個。

つまり2の個数は0から1003個までの1004通り考えられる。
よって、2006を1と2の和で表す表し方は1004通り。

答え:1004通り


問題に例示されている5の表し方は、
2の個数を1つずつ増やすことでパターンを考えていけるというヒントです。

1の数に着目しても、5個、3個、1個という形で見分けにくくなりますが、場合の数は求まります。

あるものを様々な形で表させる問題のポイントは、
それぞれの表し方の間にある関係性に注目することです。

本問では2つの「1」が1つの「2」に変換されますので、
それぞれの個数に着目しながらパターンを考えます。

~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
パターンを生み出す原理に着目することが大切

場合の数の基本は、「もれなくだぶりなく」です。

「広い視野」が必要になりますが、そもそもなるべく「広く」考えるのは当然の姿勢ですから、
具体的に身につけられる着眼点が必要になります。

それは、漠然と数えるのではなく、パターンを生み出す原理を見つけることに集中することです。
やみくもに見つけようとするのではなく、スタート地点と基本原理を見つけ、
あとは機械的にパターンを作り出していくことが大切なのです。

本問はある程度の書き出しや問題文での例示から、
基本原理である「2つの1と1つの2の交換」を見つけ出すことではじめて「1004通り」という膨大な数にたどり着けるのです。

~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
知識をストックすると同時に、思考の基本フレームを意識する。

個々の知識をストックする機会は多いのですが、思考のフレームをストックすることがなにかと少ないのが、

中学受験という現場です。

丸暗記学習を悪者扱いするあまり、思考フレームのストックまでもおろそかにされてはいませんか。

十把一からげに「暗記は悪!」といっていては脳が成長しませんよ。

おそらく開成中学の受験生は全員「二酸化炭素は水に溶けやすい」ということを知っています。

「二酸化炭素は水に溶けやすい」という知識と、

「大気の二酸化炭素は意外に増えていない」という事実・現象を結びつけるものが、

選択肢の洗い出し→仮説検証という思考技術です。

理科に限らず全科目において、そしてなんだかの問題・課題を解決するために不可欠のテクニックです。

未知の問題に出会ったとき、とりあえず、登場する事象の構成要素を書き出し、そのそれぞれを検証するという方法を身につけるよう意識してみてください。


2007年02月05日

独協埼玉中より。「求めるもの」を言い換える力が問われます。 2007-02-05



独協埼玉中より。「求めるもの」を言い換える力が問われます。


1から10までの整数が1つずつ書かれた10枚のカードがあります。この中から2枚以上のカードをとりだし、そのカードに書かれている数の合計を考えます。
(1)3枚のカードをとりだすとき、合計が10になる場合は何通りありますか。
(2)3枚のカードをとりだすとき、合計として考えられる数は何通りありますか。
(3)何枚かのカードをとりだすとき、合計が48になる場合は何通りありますか。
(4)省略

(独協埼玉 抜粋)


「取出し方」は、「残し方」ともいえます。


(1)
左に最小値を持ってくるように整理する書き出しによって
(1、2、7)(1、3、6)(1、4、5)(2、3、5)の4通りがわかります。
答え:4通り

(2)
最小は(1、2、3)の時で6、最大は(8、9、10)の時で27である。
この間の値については、(1、2、3)の「3を10まで1ずつ増やす」 「2を9まで1ずつ増やす」「1を8まで1ずつ増やす」ことによってすべてをつくることができる。
よって27-6+1=22通り
答え:22通り

(3)
カードは1から10までの10枚であり、その合計は(1+10)×10÷2=55である。
今回、取り出したカードの和は48なのでこの10枚から55-48=7より合計で7になるように残せばよい。
残る7の作り方はの5通りある。
よって取り出す48の作り方も5通りになる。
答え:5通り


(1)と(2)は取り出し方に着目、
(3)は残し方に着目させるという構成が対応力を要求する問題です。


場合の数の鉄則ではありますが、選ばれないものに着目することは近年頻出です。
類題には、や、リレーの選手の選び方で選ばれない生徒の場合の数に着目させるものや、

ふたのある容器へ水を入れる問題で水の入っている部分ではなく、
水の入っていない部分に着目させるものなどがあります。

本問のようにその値が一対一対応する残りに着目する思考は中学生以降にとても重要になってくるものです。
答えを出せれればよいというものではありません。
良い機会ですから解説を熟読してその意味を確認することが必要です。


2007年01月15日

桜蔭中より。なぜ、教科書から離れ、身の周りの科学を題材にするととたんできなくなってしまうのでしょうか。 2007-1-15



桜蔭中より。なぜ、教科書から離れ、身の周りの科学を題材にするととたんできなくなってしまうのでしょうか。


今年は1991年ですが、このように数字の順序を逆にしても変わらない年は、来年から10000年までに(ア)回あります。このうちで4つの数字の和が20になるのは(イ)回あります。

(桜蔭中)


1991「年」に惑わされないことです。


求めるべき年は、「ABBA」年という形をしていると考える。

現在1991年で、来年1992年から10000年の間を考えるので次は2002年。

つまりAは2~9、Bは0~9を考えればよい。

ABの組み合わせは、

A:8通り×B:10通り=80通り

(ア)80通り この中の組み合わせで合計20になるものを考える。
ABBAの合計が20であるからABの合計が10であるものを考えればよい。
Aは2~9までの8通り考えられ、それぞれに合計で10となるBが1通りずつ対応するので
A+B=10となるAとBの組み合わせは8通りある。

(イ)8通り

答え(ア)80(イ)8


本問では、「1991」は「せんきゅうひゃくきゅうじゅういち」ではなく、
「いち、きゅう、きゅう、いち」という数字の列だととらえることがポイントです。

各位の数を入れ替えるのですから、順番に意味があり、位が与える意味はなくなります。
「ABBA」という2種類の箱に2種類の数字を入れるという場合の数の定石問題です。

ABBAが4桁であることからAには0が入らない、
またすでに1000年代の最後の該当年数1991年を超えているわけですから1も入らないことにも注意が必要です。

~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
問題になっている条件を過不足なく把握することが大切

本問のように「数の性質」「場合の数」が

具体的な状況(本問では年数)に落とし込まれた瞬間に数の基本性質への感度が低くなり、

使いこなせなくなることがよくあります。

立体図形の面の上に配置された平面図形において「相似」「合同」など平面図形の基本的な解法が思いつかなくなるのと同様です。

コツは、絶えず

「問題文がその場で与えた条件」と
「題材となっているもの(整数や図形)が持っている条件」

を分けて整理する意識を持つことです。

中学入試では、どちらかに意識が偏っていると(多くの場合前者に偏ります)必ず行き詰り時間を致命的に消費しますし、
後者に意識が到達すると一気に易問となることが多くなっています。

本番では本問に割くことのできる時間は2分位です。
最初の小問集合の中に配置されていますが、全体に影響し、上記の処理能力を判別する良問となっています。


2006年12月18日

桐蔭学園中より。「回転して同じになるもの、ならないもの。」的確な分類能力が問われます。 2006-12-18



桐蔭学園中より。「回転して同じになるもの、ならないもの。」的確な分類能力が問われます。


下の図のように同じ大きさの正方形が5つあります。この5つの正方形の中に○か×の印をそれぞれ1つずつ書き込みます。回転して同じになるものは1通りと数えます。全部で何通りの書き込み方がありますか。○か×の一方しか使わなくてもよいものとします。


回転できることで、分類の基準が幅広くなります。


周りは回転すると同じものを除くので
すべて○、すべて×で2通り
○が1つ、×が1つで2通り
○が2つ(=×が2つ)については並び方で以下の2通り

周りは以上の6通り

まん中は○か×かの2通りなので全体の書き込み方は
6×2=12通り

答え 12通り


別解として、最初から○もしくは×の数で分類する方法もあります。

(1)○が0個の場合:1通り
(2)○が1個の場合:まん中か周り(どこに書き入れても回転すると同じ)のいずれかに書き込む2通り
(3)○が2個の場合(a)まん中と周りに1つ(b)周りに連続して2つ(c)周りに×と交互に2つ 以上3通り
(4)○が3個の場合:×の位置を(3)と同様に考えて3通り
(5)○が4個の場合:×の位置を(2)と同様に考えて2通り
(6)○が5個の場合:×の位置を(1)と同様に考えて1通り

合計12通り

ポイントは、分類の基準を明確に定めることです。

回転によって、問題文で与えられた5つの箱における上下左右の絶対的位置は価値がなくなり、
・内側と外側の違い
・周りに並べられた○と×の相互の位置関係
だけが回転によって失われないものになります。

与えられた条件下での分類基準を正確にとらえる力が問われています。

~今回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
与えられた条件を数的な意味に変換する力が大切

本問のポイントは「回転」の与える影響を的確にとらえることに尽きます。

ただ、算数において「回転」はとても重要な条件ですので、
その場で考えるというよりも普段から意識して勉強しておくことで十分対応できるでしょう。

まずは実験をしてサンプルを集めてみること。そして注意深く見比べる。

そこから差異を発見する能力は一朝一夕で身に付くものではありませんし、
目に見えて実感しにくいものです。

しかし、結論ありきではない状況下でそのような思考を積み重ねることは、
答えの定まらない実験、研究に取り組むうえでとても大切な姿勢です。

計算で一気に求めることが出来ない本問では、
そのような力強い考察能力によって確実に差が生まれます。


2006年12月04日

同じ意味のものを見抜く力が問われます。 2006-12-04



同じ意味のものを見抜く力が問われます。


下の式のア、イ、ウ、エの中には、それぞれ1、2、3、4の4 つの数字が1回ずつ入ります。計算した結果の答えは何通り考えられますか。

(東大寺学園中)



「入れ替えても同じ」を排除します。


ア、 イとウ、エはそれぞれ入れ替えても答えは変わらないので、
(ア、イ)側に2つ、(ウ、エ)側に2つの数を振り分ける振り分け方を考えればよい。

(ア、イ:ウ、エ)
=(1、2:3、4)(1、3:2、4)(1、4:2、3)(2、3:1、4)(2、4:1、3)(3、4:1、2)
の6通り考えられる。

ここで

ア×イ+ウ×エ=ウ×エ+ア×イ

が成り立つことを考えると

この6通りは
3組の答えをそのままに入れ替え可能な組み合わせが重複していることがわかる。

つまり
(1、2:3、4)と(3、4:1、2)、 (1、3:2、4)と(2、4:1、3)、 (1、4:2、3)と(2、3:1、4)
はそれぞれ同じ答えを導く組み合わせである。
よって求める場合の数は
6÷2=3
答え3通り


場 合の数のポイントは重複の排除と数え忘れの防止の2点です。
本問は重複の排除に関する少しレベルの高い問題です。
高校生の勉強での有名問題です。

ある集団を2つに分けるとき、
その2つの集団が交換可能かどうかをチェックするというのは
重複を避けるうえで欠かせないプロセスです。

「クラスを2つに分けて野球の試合をする」などが代表的です。

つまりAチーム、Bチームのメンバーはそのままメンバーをそっくり入れ替えても
対戦する意味は変わらないのです。

本問は典型問題ですが、重複の排除は問題文の与えられた条件をかなり深く、
適切に解釈しなくてはいけません。

それを見抜く洞察力は一朝一夕で獲得できるものではありませんが、
必ずチェックするという姿勢だけは見につけたいものです。

~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
同質、異質を見分ける力が大切

本問では、「交換可能なもの」を正確に把握することが一番のポイントです。

交換可能かどうかは本問のように明らかなものばかりだけでなく、
問題文の条件の下、数の性質や論理性を活用して
「言い換えることができる」ことも含まれます。

「同じものはどれか」と探す作業の中に、
「言い換えてみるとどうなるのか」という視点を加えると
同値、同質のものを見つける確率が格段に高まります。

たとえば
「Aは9の倍数」と
「Aは9で割り切れる」と
「A=?×9」と
「Aの各桁の数を合計すると9の倍数」
はそれぞれ同じことを言い換えただけですが、
そうするだけで新たな重複を見つけたり、論理展開の突破口が開かれる可能性が高まります。
同質、異質を見分けようとする姿勢とその力。
本問はその基本中の基本を問う良問でした。


2006年10月23日

慶応 普通部より。数を整理する力を測定します。 2006-10-23



慶応 普通部より。数を整理する力を測定します。


3を1以上の整数の和で表すと1+2、1+1+1の2通りになります。5をおなじように1以上の整数の和で表す方法は何通りありますか。
                             (慶應普通部)


こういった数え上げのポイントは、最も大きな数を固定して整 理することです。


以 下の表の6通り


正確に数え上げるポイントは、
「間違えにくい手法で数える」ことに尽きます。

今回でいえば、1+4,2+3,1+1+3,1+2+2,・・・・
といった書き出し方は間違いやすいものです。

「500円を100円玉と50円玉と10円玉で支払う支払い方は何通り?」

といったタイプのものが代表的ですが、
何か1つのもの(大きなものが一般的です)を固定して、
残りを考えるという手法は一度経験しておくべきです。

また、50円玉が1つ減れば、
10円は5枚増えるというそれぞれの数の関係を
しっかりととらえることも数え間違いや数え忘れを避けるには有効です。

本問は、普通部の問題としては標準です。
受験生のレベルを考えればかなり簡易な問題で
間違える生徒は皆無といえる問題です。

上記のような数え上げの意識を確認するということに加え、
次のような面白い問題の元となるので取り上げ問1
9を3以下の整数の和で表す方法は何通りありますか。

問2
12を1+1+10のように3つの整数の和で表す方法は何通りありますか。

ともに大学入試での超有名問題ですが、
小学生でも正答率はほとんど変わらないでしょう。
ともに答えは12通りです。
まずは間違えずに書き出すことに注力してみましょう。
12通り書き出せたらまず合格です。

この問題の面白いところ、
それはこの2つの問題の答えは必然的に同じになっているのです。
その理由を考えて見ましょう。


~今 回の問題から導かれる出題校からのメッセージ~
数を整理する力が大切

数 をその場で必要な形で整理する能力は、
数の規則性、対称性などに対する感覚を必要とするものです。

九九の表や、倍数・約数の関係など数多くの問題に触れ、
答えを探し出すだけでなく、
数の性質に絡めてなぜそのような手法で答えをだすことができるのか
について考えてみる習慣をつけておきましょう。

パスカルの三角形などわかりやすいものを取っ掛かりに、
小学生の算数の中でもっとも奥深い「数の性質」に興味を持ち、
掘り下げる視点をもつことが良いかもしれません。


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