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2008年04月14日

「連続する整数」の持つ様々な性質に注目します。2008-04-14



「連続する整数」の持つ様々な性質に注目します。


8=3+5
45=13+15+17
45=5+7+9+11+13
のように連続する奇数の和で表すことができる整数があります。495を連続する奇数の和で表す方法をすべて書きなさい。



「連続する数」の扱いには共通の手法があります。


奇数の和が495という奇数になるので、足し算に使う数の個数は奇数となる。
また、連続する奇数個の奇数の和は、平均となる真ん中の奇数×個数で求めることができる。

495=3×3×5×11より、求める奇数の個数は3個、5個、9個、11個、15個、33個、45個・・・など495の約数個を考えればよい。

3個の場合、495÷3=165より真ん中は165となり、3つの奇数は163、165、167となる。

5個の場合、495÷5=99 より真ん中は99となり5つの奇数は95、97、99、101、103となる。

9個の場合、495÷9=55 より真ん中は55となり9つの奇数は47、49、51、53、55、57、59、61、63となる。

11個の場合、495÷11=45より真ん中は45となり11個の奇数は35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55となる。

15個の場合、495÷15=33より真ん中は33となり15個の奇数は19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47となる。

33個の場合、495÷33=15より真ん中のは15となるが、15を中心として33個の奇数を並べることはできない。(小さい方向に16個の奇数を並べようとすると0より小さい数が出てきてしまう。)

これ以上の連続する奇数を考えると同様になる。よって答えは、上記に示した5通り。



「連続する整数」の和というのは(最初+最後)×個数÷2という計算手法は有名ですが、その仕組みをしっかりと確認していないと、今回の応用は難しかったのではないでしょうか。
連続する整数の列において、(最初+最後)÷2の意味は平均です。棒グラフにしてみると直感でも理解できるはずです。また連続する数とその和というのは偶奇やその個数など以外と制約が多いことも覚えておきましょう。一見、条件が足りないように見えてもそれらの条件から答えを絞り込むことが可能となります。


2008年03月24日

麻布中より。倍数判定法の基本が高いレベルで問われます。2008/03/24



麻布中より。倍数判定法の基本が高いレベルで問われます。


Aは4けたの整数でそれぞれの位は同じ数字からなり、Bは4けたの整数でそれぞれの位は2種類の数字からなっています。AとBの積を計算したら44448888になりました。AとBを求めなさい。(麻布中)


「すべての位が同じ数字である整数」を割り切る数のうちの1つは「見た目」で簡単に見つかります。


すべての位の数が同じである4けたの整数Aは1111の倍数となる。
A=1111×□となるからA×B=1111×□×B=44448888であることがわかる。

44448888÷1111=40008であるからB×□=40008となる。

ここで40008=4×10002であり40008=6×6668であり、 40008= 8×5001であることから、□の候補は6もしくは8となる。
□が6のときBは6668、8のときは5001となるが、Bは2種類の数字のみでつくられる4けたの整数のなので6668となる。
よってA=1111×6=6666

答え:A=6666,B=6668


基本的な倍数判定の知識をしっかりと自分のものとして、使いこなせていないとゴールまで簡単にはたどりつけません。

Aの約数1111の発見に関しては初見の問題としては少々難易度が高いですが、一度本問を解いておけば問題ないでしょう。
この問題は1番の(2)つまり素早く終わらせなくてはいけないもので、ポイントは40008が4の倍数であり、6の倍数であり、8の倍数であることの発見です。それぞれの倍数判定法はどの教科書にも載っている基本事項ですが、直接問われてはいない本問のような形式で素早くチェックするには相当量の練習で知識が定着している必要があるでしょう。


2008年02月11日

魔方陣とは,縦・横・ななめの3つの数字の「和」が同じです。 2008-02-11



操作の「理由」に目を向けます。結局解答能力とはロジカルかどうかですし、ロジカルかどうかとは因果関係に目を向けられるかどうかです。


魔方陣とは,縦・横・ななめの3つの数字の「和」が同じです。


ノーヒントです。
 

一番上の段の横一行と一番左の縦一列に着目すると

●+1+8=●+?+2となる。.●は共通なので1+8=?+2となる.よって?=7
答え:7


もちろん,まん中の5を発見して、,すべてのマスを埋めていくという手法でも解答可能ですが、本問で重要なのは「和が同じ」という条件に対するアプローチです。

面積の問題で頻出なのですが、「ある部分とある部分の面積が同じ」という条件に対して、同じものを足しても,面積が等しいという条件に変化はありません。

本問では●という共通部分に着目し,他の部分の和も同じになるという形です。

※まん中が5になることをきちんと説明できることも大切です。必ず一度は経験しておいて欲しい問題です。


2008年01月21日

条件を吟味すると、図形の問題ではないことに気付けます 2008-01-21

(問題)
AB=3cm 、BC=4cm、CA=5cm、の直角三角形ABCの斜辺CA上に点Pをとったところ、2つの三角形ABPと三角形PBCの周の長さが等しくなった。このとき三角形ABPの面積を求めよ。

(解説)
「構成要素は違うが合計が同じ」という条件が与えられているところから、和と差について考える問題であると気付けることが突破口です。

最近の上位校での流行なので対策は進んでいますが、問題文を吟味して条件の本質的な意味を考えるという点ではやはり難問です。

求積問題では、「明らかに通常の解き方では求めることができない。」という判断をすることが比較的容易ですので、その場合に考えられる手法について確認しておくと良いでしょう。


最近は~算について学ぶ基本例題とは見た目が全く違う問題を出そうという姿勢が各校で見られます。

数学の先生たちの腕の見せ所といったところですが、受験生にとっては~算の仕組みについてしっかりと理解しておく必要性が高まってきていることになります。


2007年11月19日

直感では解けそうにないのですが、解けます。そこから類推します。 2007-11-19



直感では解けそうにないのですが、解けます。そこから類推します。


田中くんは、よしこちゃんに誕生日プレゼントを送ろうとおもいます。郵便局に行って送料をたずねましたが、40円切手と70円切手しかもっておらず、どのように組み合わせてもその送料をぴったりつくることはできませんでした。結局、10円余計に貼って送りました。送料は10円単位で140円以上だとすると、正しい送料はいくらでしたか。


解けないと感じたのはなぜか考えてみましょう。


題意より、40円と70円を組み合わせて払うことのできない料金には実は上限があることが類推できます。
具体的には180円以上はすべて可能です。
140円以上170円以下の料金140円、150円、160円、170円のうちつくることができないのは170円のみなので答えは170円

答え:170円


180円、190円、200円、210円という4連続で数を作ることが確認できると、
それらに40円を足していくことで10円単位はすべてつくることができます。

小学生レベルでは、題意を読み取り、上限があることを類推できれば、
数の組み合わせの試行錯誤で比較的容易に上限を発見できます。

(参考)
支払うことのできない上限の「170円」の発見方法は以下の通り。
大学入試における有名問題です。

10円単位なので、4円と7円の組み合わせでつくることが出来ない金額の上限を求める。
まずは、ともに1枚以上使うことを考える。

4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6はすべて4×7以下の数で、
これらの数を7で割った余りはすべて異なる。
なぜなら4×□と4×○を7で割った余りが等しければ、両者の差4×(□-○)が7で割り切れることになるが、
□-○は7未満なので、4×(□-○)が7で割り切れることはないからである。

よって、 4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6を7で割った余りは
1、2、3、4、5、6のいずれかになる。

以上より、
4×7より大きなどのような整数も4×1、4×2、4×3、4×4、4×5、4×6のいずれかに7を足せば表すことができる。
一方4×7=28が4×□+7×○で表すことができるとすると、□が7の倍数となり矛盾が生じてしまう。
よって1枚以上使うとき、作ることのできない金額は4×7=28円となり、答えは10倍して280円となる。

本問はどちらも使わない場合も含まれるが、これまでの話を延長して考えればよい。


4×□+7×○で表せない数(□、○は1以上の整数)についての議論を、
4×■+7×●で表せない数(■、●は0以上の整数)に延長するには、
■=□-1、●=○-1と考えればよい。

4×■+7×●= 4×(□-1)+7×(○-1)=4×□+7×○-11

4×□+7×○の上限は28であることを確認しているので、
4×□+7×○-11の上限は28-11=17となる。
よってともに0枚がありえる場合は支払うことのできない上限は170円。


2007年10月22日

極端な場合を考えて見通しをよくします。 2007-10-22



極端な場合を考えて見通しをよくします。

箱の中に3と書かれたカードと5と書かれたカードがそれぞれたくさん入っています。この箱からカードを何枚か取り出し、書いてある数の合計を調べます。たとえば、合計9になるのは3のカードが3枚取り出される場合のみの1通りです。このとき合計2003になる取り出し方は何通りありますか。


ノーヒントです。
 

なるべくたくさんの3のカードをつかって2003を表すことにする。

すると2003÷3=667余り2より、3のみで2003を作ることは不可能です。そこで余り2に着目し、
2003=3×666+5×1
より666枚の3のカードと、1枚の5のカードで作る組み合わせが出来ることを確認する。

ここで、合計の2003を変えずにカードの組み合わせを変えていく。
つまり、合計を変えないようにしながら、3のカードを減らし、5のカードを増やす。
(なぜなら3のカード666枚は最多の場合だから)

合計を変えないためには減らした3のカードの合計と増やした5のカードの合計が同じになるようにしなくてはいけない。

つまり3と5の最小公倍数に着目して、3のカードを5枚分合計15減らし、
5のカードを3枚分合計15増やすという作業によって、組み合わせを変えていけばよい。


3のカード666枚を5枚ずつ減らしていく作業は666÷5=133余り1より133回実施することができる。

よって組み合わせは最初に見つけたものと合わせて134通り考えられる。

答え:134通り


様々な組み合わせを考える問題はまず極端な場合を考えて、
どれくらいの範囲にあるのか、概算をすると見通しがよくなります。

つるかめ算と同じ考え方です。本問はなるべく多くの5のカードを使う場合からスタートしても解くことができます。


また、次に取組むことになる「和を一定に保つ」ための作業は、いろいろな形に姿を変え出題されます。
当然、増やした分を減らす、掛けた分を割るという還元作業をすればよいのですが、そう単純にはいきません。

本問は減らすときには3が単位となり、増やすときには5が単位となります。

このように、還元するときに単位が変わる
(水を捨てるときと入れるときの単位時間当たりの水量が違うなど)のが常套なので、
両者を丁寧にそろえる作業から手をつけていきましょう。


2007年10月01日

問題文に明記されていない隠れた条件をつかって絞り込みます。 2007-10-01



問題文に明記されていない隠れた条件をつかって絞り込みます。


のぼるくんは、1から順番に1、2、3、4、5・・・・とある数字まで黒板に書きました。のぼるくんがその中の1個の数字を消してしまいました。すると残りの数の平均は590/17になりました。のぼるくんの消した数を求めなさい。


1から連続する整数の平均は、数を1つ消してもある範囲内でしか増減しません。
 

平均が590/17ということは、1つ消してしまった後の数字の個数は17の倍数になります。・・・・・ (条件1)


平均の 590/17=34 と 12/17 です。
ここで1からある数Aまでの連続する整数の平均について考えます。

ここから1つの数字を消すことにします。1を消したときに平均は最も大きく増加します。その増える値は必ず0.5です。
また、Aを消したときに平均は最も大きく減少します。その減る値もまた必ず0.5です。
つまり元々の平均は34と12/17から+-0.5の範囲内にあることになります。・・・・・ (条件2)


さらに、いくつかの連続する整数の平均は必ず整数もしくは小数部分が0.5になります。 ・・・・・(条件3)

条件1から3より、元々の平均は34.5で、1つ消した後の数字の個数は68個、つまり元々の数字の個数は69個になります。
1から69までの合計は(1+69)×69÷2=2415
また、1つ消してしまった後の数の合計は590/17×68=2360
よって消した数字は2415-2360=55

答え:55


算数オリンピックからの出題です。

条件2についてきちんと把握することが鍵となる問題でした。

1から連続する整数をならべてみてください。
平均は、最初の数1と最後の数を足して2で割ったものになることがわかるはずです。

最後の数をAとすると
(1+A)÷2で平均が求まります。

ここで1を消すと平均はもっとも高くなりますが、その値は
(2+A)÷2です。

先程の(1+A)÷2  は  1÷2+A÷2  と変形できるので、
(2+A)÷2  つまり  2÷2+A÷2  との差は  1÷2  と  2÷2  の差の 0. 5ということになります。

同様にAを消すときのことを考えるとその差は
A÷2  と  (A-1)÷2  つまり  A÷2-1÷2  との差となり、これも0.5となります。


問題文に明記されている数字や式などでは式を立ててとくには明らかに足りないとき、
問題文の裏に隠された条件を読み解くことが鍵になります。

上記の平均の増減幅に関しては、平均算でよく使われる面積図を使っても理解は可能です。

是非試みて確認しておいてください。


2007年09月10日

「約数」の基本問題です。「割り算」において注意すべきポイントを確認しましょう。 2007-09-10



「約数」の基本問題です。「割り算」において注意すべきポイントを確認しましょう。


656をある整数で割ると、いくらか余り、859を割ると余りが1減り、1198を割ると余りがさらに1減る。ある整数をすべて答えなさい。


実は「約数」の典型問題です。
 

問題文の「859を割ると余りが1減る」という条件は、「860を割ると余りが同じ」と言い換えることができます。
また、
「1198を割ると余りがさらに1減る」という条件は、「1200を割ると余りが同じ」と言い換えることができます。

つまり問題は656、860、1200を割って余りが同じになる整数を求めるということになります。

下の線分図のように考えると、それぞれの数の差である204と340が「ある整数」で割り切れることがわかります。
この2つの数の公約数は1、2、4、17、34、68です。

ここで656を割ったときの余りは2以上でなくてはならないことから、ある整数は3以上でなくてはいけないので、

答えは4、17、34、68の4つ。


「3つの整数を割った余りが同じ」というタイプの問題です。
出題されるときは、小問としてテキストに載っているものとほぼ同じ形です。
線分図で余りを左側によせてそろえる点が難しく、必ず一度は取組んでおかないと初見で解くのというのは非現実的なものです。
あまり変形の余地のない問題ですので、本問はかなり手が加えられている部類に入ります。
また割る数や余りを算出する問題では、「余りは割る数より小さい」という割り算の重要な制限を必ず意識しなくてはいけません。
そうすれば、本問のような複雑な問題文の中からでも、「余りは2以上」と「割る数は3以上」という条件を抽出することが出来るでしょう。


2007年08月27日

大分中より。誰もが解いているあの問題の理解度が問われます。 2007-08-27



大分中より。誰もが解いているあの問題の理解度が問われます。


1から200までの番号が書いてあるドアが並んでいます。
また200人の子供がいて、それぞれに1から200までの番号がつけられています。最初、ドアはすべてしまっています。
子供達は1番の子供から順に自分の番号の倍数が書いてあるドアの状態を変化させます。状態を変化させるというのは、開いているドアは閉めて、閉まっているドアは開けるということです。
(1)(2)省略
(3)1番から200番までのドアで開いているドアは全部で何個ありますか。

(大分中)


ドアの状態は、子供が来る回数に従って交互に変化します。

ドアは閉まっている状態からこれらの作業がスタートします。子供が1回やってくると開けられ、2回目にやってきた子供によって閉められます。
このように開いている状態と閉まっている状態は交互に発生するので、子供が来た回数が奇数ならば常に開いているといえ、偶数ならば常に閉まっているといえます。

子供が来る回数が奇数、つまり約数が奇数個ある番号のドアが、すべての作業を終えたとき開いているドアということになります。
約数が奇数個とは、平方数つまり同じ数を掛け合わせた数です。
1×1=1番、2×2=4番、3×3=9番、4×4=16番、5×5=25番・・・14×14=196番

以上の14個の番号が付いているドアが開いていることになります。

答え:14個


「約数が3個ある数とはどのような数か?」ほぼすべての塾のテキストの約数の単元に出てくる問題です。

素数の二乗とだけ覚えているようでは、本文の「約数は奇数個」に対応できなかったでしょう。

本質的にはこちらのほうが理解は簡単なはずなのにです。

ある数の約数は通常2つで1組で捉えられます。
18の約数は(1と18)(2と9)(3と6)などお互いに掛け合わせて18になるものです。

つまり通常は偶数個あると考えられます。

しかし奇数個しかないということはその組の中に同じ数のもの、
たとえば16に対する(4と4)などが存在することを意味します。

つまり約数が奇数個とは、同じ数を掛け合わせたものなのです。

テキストによく出てくる約数が3個のものとは、その中でも特種なものなのです。

約数の個数などは基本問題として扱われますが、単にかけ算を利用して答えを探す作業だけでなく、
個数や種類などについて考察する機会にすることが大切です。

カリキュラムではすぐに、連除法や公式を利用した約数の個数の算出などに重点が移ってしまうからです。

~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
公式の背景にある数の性質を知ることが大切

「数の性質」はとても幅広く、苦手にしている生徒も多い分野です。

数学の1分野としてとても奥の深いものですから、それは当然です。
しかし、中学入試で扱われるものは、小学生が知ること、発見することが難しいものはほとんどなく、
何気なく使いこなしているものです。

まずは、「偶数と奇数」や「1桁の数の倍数」などについての性質についての確認から始めてみましょう。
テキストや学校の教科書などには丁寧な説明が書かれています。

結局は公式で済んでしまうからといってとばし読みせず、書き出しや実験などに取り組んでしっかりと考察をしてみることが必要です。
公式がどのような仕組みで機能しているのか、具体的なイメージをもっていれば、簡単な応用をすぐに見抜くことができるようになるのです。


2007年08月06日

巣鴨中より。超基本問題であることを見抜く力が問われます。 2007-08-06



巣鴨中より。超基本問題であることを見抜く力が問われます。


400以下のすべての8の倍数について百の位の数の和を求めなさい。

(巣鴨中)


そもそも百の位の数字とはどのようなものがあるのでしょうか。


400以下の数が対象ですから、そもそも百の位の数は1、2、3、4が対象です。
これはつまり
「100から199まで」「200から299まで」「300から399まで」「400」
のそれぞれの範囲の中にある8の倍数の数を明らかにすればよいことになります。

「100から199まで」の8の倍数の個数を求める。
まず1から199までに8の倍数は
199÷8=24あまり7 より24個ある。

そして1から99までに8の倍数は
99÷8=12あまり3  より12個ある。
よって「100から199まで」の8の倍数は
24-12=12個ある。

また、
「200から299まで」の8の倍数の個数を求める。
まず1から299までの8の倍数は
299÷8=37あまり3 より37個ある。

そして1から199までの8の倍数は上で求めた24個。
よって「200から299まで」の8の倍数は
37-24=13個ある。

さらに
「300から399まで」の8の倍数の個数を求める。
「1から399まで」の8の倍数は
399÷8=49あまり7 より49個ある。

そして1から299までの8の倍数は上で求めた37個。
よって「300から399まで」の8の倍数は
49-37=12個ある。

そして
「400」は8の倍数なので「400」も数えいれる対象となる。

問われているのは百の位の数の和であるから
「100から199まで」は百の位の数は「1」で12個あるので和は1×12=12
「200から299まで」は百の位の数は「2」で13個あるので和は2×13=26
「300から399まで」は百の位の数は「3」で12個あるので和は3×12=36
「400」の百の位の数は「4」で1個あるので和は4×1=4
よってこれらの和は
12+26+36+4=78

答え:78


あまり見かけない形で表現されていますが、
内容は「100から199までの8の倍数の個数を求めなさい」という問題と同じです。

個数を数えているうちに「百の位の数の和」を求めよと問われていることを忘れ、
個数の合計を答えてしまわないようにすることが少々の注意点といえる問題です。

しかし、入試という緊張感のある状況ではこの「あまり見かけない形」への対応力によって大きく差がでます。
本問は大問の1問目です。1行計算問題と比較するとやはり骨のある問題です。
典型問題を様々な角度から検討し、類題にあたっておくことが大切です。

~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
普段からの基本問題の本質を検討する姿勢が大切

本質的には非常に簡単な問題に対し、本問のようなレベルの
「見かけの装飾」を施された位で対応できなくなるということでは、
勉強が「パターン暗記」になっていると言わざるをえないでしょう。

指導する人間はよく「このようなタイプの問題は・・・」という言葉を使いがちですが、
子供たちにとって大きな障壁は「このようなタイプ」を判別することです。

「このようなタイプ」とはいったい何を指しているのか。見分ける指標は何か。そしてどのような類題がありえるのか。

これらのことを子供たちに考えさせ、見抜く力を養わなくては、
算数重視の難関校にはまったく歯が立たなくなります。

6年生後半の応用期に突然算数の得点が下がってくるのは
このような勉強をしてこなかったことに大きな原因があります。

1つ1つの基本問題に対して、「この問題はなぜこのようにとくのか」について検討しましょう。

本問は、高いレベルの理系教育を受け続ける上で必須の、
このような勉強姿勢を1問目からしっかり測定しようとしている良問でした。


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