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理科 アーカイブ

2009年07月21日

自分で導ける公式は、より記憶に残ります。2009-07-21



自分で導ける公式は、より記憶に残ります。

 次の図は、東京(北緯36°)における春分の日の地球と太陽の位置関係を表しています。この図の中に、この日の南中高度を書き入れ、求めなさい。ただし、必要な線などは消さずに残し、例のように、黒くぬりつぶして示すこと。
























高度は、地面(地平線)からどれくらいの高さにあるかを表しています。




 高さを書き込む上で、まずは「地平線」を正しく書かなければなりません。地球は球体ですが、観測者の地球に対する小ささを考えれば平面と考えることができるので直線で表せます。また、太陽は地球から十分に遠いため、地球に届く光は太陽が放つ光の一部でしかありません。よって、平行光線であり、春分の日(秋分の日)はそれが赤道と平行になります。
 これより、90°-36°=54°と計算できるのです。

 また、北緯をN°とすれば、この作図から「春分の日の太陽の南中高度=90°-N°」という公式が導けたことになります。

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2009年07月13日

選択肢がなければ答えが出せない問題もあります。2009-07-13



選択肢がなければ答えが出せない問題もあります。

なめらかなカーテンレールと台でつくった装置を使って以下の実験を行いました。

<実験1>
 下の図のように、ななめの部分のカーテンレールを100cmとし、その上端からパチンコ玉を静かに転がしたところ、パチンコ玉はレールの右端から飛び出し、台から100cmの所に落ちた。

<実験2>
 角度は30°のまま、ななめの部分のレールの長さを2倍、3倍として、それぞれ上端からパチンコ玉を転がした。表1は、それぞれのパチンコ玉が飛んだ距離を表している。

<実験3>
 ななめの部分のレールの長さは100cmのまま、レールの角度を変えてそれぞれ50cmの高さの所からパチンコ玉を転がした。表2は、それぞれのパチンコ玉が飛んだ距離を表している。

<実験4> 
  レールや台は実験1と同じ状態で、転がす玉の材質を変えた。ただし、それぞれの重さは異なっても、大きさは同じだった。表3は、それぞれのパチンコ玉が飛んだ距離を表している。


この実験結果から、ななめの部分のレールの長さは100cmのままレールの角度を変えて、それぞれの上端からパチンコ玉を転がすとそれぞれのパチンコ玉の飛んだ距離はどのようになりますか。次のア~クから選び、記号で答えなさい。

(1) レールの角度を45°にしたとき
(2) レールの角度を60°にしたとき

      ア.71cm イ.100cm ウ.119cm エ.132cm 

      オ.141cm カ.155cm キ.173cm ク.200cm

























選択肢がなければ、解けません。


(1)ウ
(2)エ


 この実験より、球が飛ぶ距離は「はじめの球の高さ」によってのみ決まることがわかります。実験2から、はじめの高さが高いほうが飛ぶ距離が長いところまではわかりますが、比例関係にはなく、きまりまではつかめません。そこで、図にして比べてみると・・・

これから、(1)、(2)ともに、飛ぶ距離は100cm以上141cm以下であることが予想できます。また、当然(1)よりも(2)の方が飛ぶ距離は長くなるので、選択肢であてはまるのは119cm、132cmしかありません。

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2009年06月29日

これも一種の対照実験です。 2009-06-29



これも一種の対照実験です。

 ある楽器の音の振動を記録するのに、高さと強さを変えて4種類の音を鳴らしました。このときの高さと強さの関係を示したものが下の図です。さらに、これら4種類の音のうち、A~Cの振動の波はあとの図で示されています。Dの音の振動の波は、どのような形になりますか。A~Cをもとにして作図しなさい。
























比べてみればわかります。




 まず、AとBを比べてみます。高さは同じで強さが異なることにより、グラフには縦幅(振幅)に違いが表れています。また、AとCを比べると、強さは同じで高さが異なることにより、グラフには横幅(これを振動数)に違いが表れています。

 ここで、Dは高さがCと、強さがBと同じなので、これに合わせてグラフを書けばよいのです。
音やその波形に関する知識は全く必要とされない一問でした。


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2009年06月22日

理科では、一般常識が通用しないことが多々あります。2009-06-22



理科では、一般常識が通用しないことが多々あります。

丸底フラスコの中に3分の1くらい水を入れ、ガスバーナーで充分に加熱したあと、フラスコを火から下ろしてすぐにゴムせんをし、完全に密閉しました。その後、フラスコに水道水をかけて冷やしたところ、しばらくしないうちに再び沸とうが起こりました。
 フラスコを冷やしたにもかかわらず、なぜ再び沸とうが起こったのですか。理由を説明しなさい。
(青山学院中等部)

























 沸とうとは、水が100度をこえると起こる現象でしょうか?


フラスコ内の水蒸気が水になり、気圧が下がることで沸点が下がったから。



 まず、「再び沸とうが起こった」ことから「100度をこえた」と考えるのは安易すぎます。問題文にあるとおり、沸とうしたあとのフラスコ全体を冷やしているわけですから、温度は確実に下がるはずです。

一般常識(?)のように「水の沸とうは100度をこえて起こる」と思われていますが、実はこれは大きな間違いなのです。

 簡単に説明すると、沸とうとは水の粒(分子)がエネルギーをもって水から飛び出していく現象のことで、飛び出しにくい環境であればあるほどエネルギーは必要になり、逆に飛び出しやすい環境であればあるほどエネルギーは小さくて済みます。

水の粒が空気中に飛び出していくためには、空気の圧力(気圧)に打ち勝たなければならず、これが水の沸とうを阻止していると言っても過言ではありません。よって、気圧の低いところでは、100度以下の温度(熱エネルギー)で沸とうすることができるのです。

例)
富士山頂・・・約87度で沸とう
エベレスト山頂・・・約70度で沸とう

 問題文を、もう一度注意深く読んでみると、火から下ろしたフラスコをゴムせんで完全に密閉(←ここがポイント!)しています。

水蒸気で満たされたフラスコの内部では、温度が下がることで水蒸気が水にもどっていきます。このとき体積はおよそ1600分の1に縮みますから、フラスコの内部は真空に近い状態にまで気圧が下がります。これにより、水面にかかる気圧が小さくなるので、水の沸点が下がり、再び沸とうが起こったと考えられるのです。

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2009年06月15日

実験道具こそ、いろいろと工夫されているものです。 2009-06-15



実験道具こそ、いろいろと工夫されているものです。

 ヒトは、呼吸をするときに体の中に空気を取り入れ、ある器官で必要な気体、不要な気体のやりとりをしたあとに、体から空気を出します。このように、体の中に取り入れる空気を吸気、体から出す空気を呼気とよぶことにします。これについて調べるために、太郎君は本でいろいろと調べながら下の図のようなそう置をつくりました。このそう置は、息を吸ったりはいたりするときにそれぞれゴム管のどちらか一方をおさえて使います。



問1 
太郎君が実験をしようとしたところ、先生が上の図のそう置にはまちがいが1つだけあることを教えてくれました。それを正す方法を、図の中の記号A~Dを使って説明しなさい。

問2 
そう置のまちがいを正した後、このそう置を使って息を吸ったりはいたりすることをくり返していると、石灰水に変化が見られました。これについて、正しい結果を表しているものを次のア~オから選び、記号で答えなさい。

   ア.石灰水Xの方が石灰水Yよりもより白くにごった。
   イ.石灰水Yの方が石灰水Xよりもより白くにごった。
   ウ.石灰水X、Yともに同じように白くにごった。
   エ.石灰水Xが、石灰水Yの方へ流れ込んだ。
   オ.石灰水Yが、石灰水Xの方へ流れ込んだ。
























呼気と吸気をそれぞれ通すための装置です。


(1) Dを石灰水Yから出す
(2) ア


(1) 呼気と吸気を通さなければならないので、装置の先を口にくわえて息を吐いたり吸ったりすることを考えてみます。

 ・ゴム管の左をおさえて吐く・・・Dから呼気が石灰水に入っていきます。
 ・ゴム管の右をおさえて吐く・・・Aから呼気が石灰水に入っていきます。
 ・ゴム管の左をおさえて吸う・・・Dから石灰水Yが口に入ってきてしまいます。
 ・ゴム管の右をおさえて吸う・・・Aから石灰水Xが口に入ってきてしまいます。

 つまり、これでは吸気を調べることができないため、AかDを石灰水の外に出しておく必要があることがわかります。

1)Aを石灰水から出した場合(吸気を石灰水Xに通す場合)
ゴム管の右をおさえて息を吸うことになりますが、石灰水Xに届く管がないためBから取り入れた吸気(外気)が石灰水を通ることなく口に入ってしまい、実験になりません。

2)Dを石灰水から出した場合(吸気を石灰水Yに通す場合)
ゴム管の左をおさえて息を吸うと、吸気(外気)がCから石灰水Yを通ります。また、ゴム管の右をおさえて息を吐くことで、Aから呼気が石灰水Xを通ります。

(2) 呼気と吸気では、呼気の方が多くの二酸化炭素を含みます。よって、呼気が通る石灰水Xの方がより白くにごると考えられます。


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2009年06月08日

隠れた前提を意識していますか? 2009-06-08



隠れた前提を意識していますか?

ガラス製の2つの容器A、Bと、2本の温度計C、Dを用意し、下の図のような装置を使って水の温度変化を調べる実験を行いました。
<実験1>
 容器Aに15度の水を、容器Bには75度の湯50gを入れ、かき混ぜながら時間と水の温度の関係を調べた。
<実験2>
 容器Aに75度の湯200gを入れ、容器Bに0度の氷50gをくだいて入れ、かき混ぜながら時間と水の温度の関係を調べた。







 実験1の結果では、温度計C、Dの変化のようすは上のグラフのようになりました。このことから考えて、実験2の結果では、温度計C、Dの変化のようすはどのようになると考えられますか。次のア~エから選び、記号で答えなさい。
























0度の氷は、まず・・・。




容器Bに入れられたものは、0度の水ではなく0度の氷です。

この問題中に特に明記はされていませんが、氷は0度に達すると水に状態変化するためにエネルギー(熱)を利用するので、容器Aから奪った熱による温度変化はなくなります(もちろん、その間容器Aの湯の温度は下がります)。

やがて、0度の氷がすべて水に変化すると、奪った熱を温度上昇に利用しするため陽気Bの水も温度が上がっていくのです。この隠れた前提を意識しておかないと、エという誤答を導きやすいと考えられます。

 ちなみに、この問題で容器Bに入れられたものがはじめから0度の水であったとすれば、グラフはどのようになるでしょうか。状態変化がおこらないことから、これこそエのようなグラフになると考えますか?


 容器Aの湯:容器Bの水=4:1より、容器Aの温度変化:容器Bの温度変化=1:4になるので、混ぜ合わせたあとの水の温度は60度になっていなければなりません。

エのグラフは、明らかに60度未満ですね。


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2009年05月25日

簡単すぎて間違えること、ありませんか?2009-05-25



簡単すぎて間違えること、ありませんか?

 下の図のように、2g、3g、7gのおもりが1個ずつあります。これらを使って上皿てんびんで色々な物の重さを量るとき、量ることができる重さは何通りありますか。ただし、おもりは左右どちらの皿にものせてもかまいません。


























最大で12gです。



11通り



 まず、単純に1つの皿におもりをのせていくことを考えます。のせた分だけ量ることのできる重さは増えますから、「和」を考えていけばよいのです。
1つ・・・2g、3g、7g
2つ・・・5(2+3)g、9(2+7)g、10(3+7)g
3つ・・・12(2+3+7)g

 次に、これでは作ることのできなかった重さが工夫して作れないか、考えます。

 たとえば、一方の皿に3gのおもりを、もう一方の皿に2gのおもりをのせた場合、このてんびんをつりあわせるために必要な物の重さは3-2=1gとなります。つまり、反対の皿にのせた2gのおもりが、3gのおもりの重さのうち2g分を打ち消してくれているのです。このことから、反対の皿にのせることによっておもりの重さの「差」を考えることができます。

※以下、赤数字は反対の皿にのせて打ち消した重さ
1gを作る・・・3-2=1で可能
4gを作る・・・7-3=4で可能
6gを作る・・・2+7-3=6で可能
8gを作る・・・3+7-2=8で可能
11gを作る・・・不可能

 以上より、11gのみ作ることができないので、全部で11通りとなります。


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2009年04月27日

バネの伸びはおもりの重さに比例します、でいいんでしたっけ? 2009-04-27



バネののびは、おもりの重さに比例します?

 下の図は、伸びたり縮んだりしていないときの長さが18㎝の特別な2本のバネA、Bを表しています。バネAは両端を糸で結び8㎝以上伸びないようにし、バネBは特殊な加工をして伸び方に工夫を与えたものです。


 また、下の左の表は、バネAにいろいろな重さのおもりをつるしたときのバネの長さを表しています。また、右の図は、バネBにいろいろな重さのおもりをつるしたときのバネの伸びを表したものです。これについて、次の問いに答えなさい。


問 下の図のように、重さのない棒にある重さのおもりをつるすことを考えます。棒が水平を保つように、このおもりを棒の真ん中につるすとき、おもりの重さは何gにすればよいですか。























テキストにおけるバネの常識にとらわれてはいけません。


500g



棒の中央につるすので、バネA、Bに加わる力は等しくなります。また、同様に棒が水平を保った状態で下がったので、バネA、Bの伸びがそれぞれ等しくなります。

 つまり、同じ力で同じ伸びになるので、完全にバネA、Bのグラフが一致する点とわかります。ここで、バネA、Bともに伸び方が特殊なので、バネBのグラフにバネAの伸び方を記入してみると、下の図のようになります。

 よって、図3よりそれぞれのバネの伸びは8㎝、それぞれのバネに加わる力は250gとなります。
したがっておもりの重さは250+250=500gとなります。

 さて、本来テキストで学習するバネの問題では「バネの伸びとおもりの重さは比例する」が常識となっています。

しかし、この問題のように特殊な加工をすることでそれに従わない場合もあるのです。「与えられた条件に従う」「問題作成者の誘導にのる」ことが物理単元ではよく見られます。

「解き方の暗記」にとらわれることなく、「何をすればよいのかを探る意識」を持ってほしいものです。

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2009年03月30日

一問一答だけの学習は危険です。2009-03-30



一問一答だけの学習は危険です。

 植物は、光を受けて「光合成」というはたらきを行う一方で、「呼吸」というはたらきを絶えず行っています。この「呼吸」について、次の(  )にあてはまる言葉を答えなさい。

呼吸は、(  )を得るためのはたらきです






















「呼吸は光合成と逆のはたらき」とよく言われますが…。



生活エネルギー


 光合成は、葉緑体を持つ生物のみが行うことのできる特別なはたらきであり、このはたらきによって、生物が生きるのに必要な「光のエネルギー」を養分(でんぷん)の中に閉じ込めることのできます。そして、その養分をつくるための材料となるのが二酸化炭素と水であり、多くの参考書やテキストでは下の図のように表されています。

 一方、この光合成と逆のはたらきとして紹介されているのが呼吸ですが、落ちついて考えてみてください。光合成と逆のはたらきをするために呼吸があるのであれば、そもそも光合成、呼吸ともに行う意味がありません(せっかく光合成でつくった酸素と養分を、二酸化炭素と水にもどすのですから)。

つまり、二酸化炭素や水にもどすことは、呼吸の「目的」ではないのです。

 本来、呼吸は養分の中に閉じ込めた光のエネルギーを取り出すために行うのです。簡単に言えば、光のエネルギーというお金を養分(でんぷん)という名の貯金箱に蓄えるために行うのが光合成であり、その貯金箱をこわして中のエネルギーを取り出すために行うのが呼吸なのです。
 よって、呼吸を行う目的は「生活するためのエネルギー」を得るためというべきです。



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2009年03月09日

中学入試の近年の傾向 麻布中より 2009-03-09



2009年 麻布中学入試より

 体積や、ものの長さや重さをはかるとき、本当に厳密な意味で数値をはかることは非常に困難です。たとえば、最小のけたの表示が1gの電子てんびんXで砂糖の重さをはかったとき、「20g」の表示が出たとします。これは、砂糖の重さが厳密に「20.00000…g」であることを意味しているのではなく、表示できる値の最小のけたの次の位(この場合は小数第1位)を四捨五入して「20g」と表示していると考えることにします。
 つまり、この場合、本当の重さは( ア )g以上、( イ )g未満ということになります。
 また、別の電子てんびんYは最小のけたの表示が0.01gで、このはかりで砂糖の重さをはかったときに「20.00g」の表示が出たとすると、本当の砂糖の重さは( ウ )g以上、( エ )g未満ということになります。
 このとき、「表示された重さ」と「本当の重さ」との値の差を「誤差」といいます。

問5 空欄( ア )~( エ )にあてはまる数値を答えなさい。

問7 H君とT君が、電子てんびんX(2000gまではかれるものとします)を用いて、ちょうど5%の濃さの食塩水をつくる方法を考えました。
(H君の方法)5gの食塩を95gの水に溶かす。
(T君の方法)50gの食塩を950gの水に溶かす。
「H君とT君の方法を比べると、より正確な5%の濃さの食塩水を作りやすいのはどちらですか」と先生にたずねられたS君は、「どちらの方法でも誤差は最大で0.5gなので、どちらの方法でも同じです」と答えました。
あなたが先生に同じ質問をされたら、どのように答えますか。理由を示して書きなさい。  






















ありません。


問5 ア19.5 イ20.5 ウ19.995 エ20.005

問7 
濃さの誤差の最大を求めてみると、H君では0.5g÷100g×100=0.5%になり、T君では0.5g÷1000g×100=0.05%になるので、T君の方がより正確といえます。



 重さをはかるための同じ電子てんびんXを使うかぎり、S君の言うとおり誤差は最大で0.5gです。

しかし、濃さを求める際には全体の重さで割ることになるので、できるかぎり大量の食塩水を作るほうが誤差は小さくなるのです。

 このように、いろいろな値をはかるときには誤差の影響を考えなければならず、それをできるかぎり小さくするためにさまざまな工夫が行われています。受験理科で頻出なのは「ふり子の周期」を求める際の「10往復の時間をはかり、10で割る」でしょう。

このように、同じテーマでも形や題材をかえて目新しく感じさせる出題は、中学入試理科の近年の傾向といえます。



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