頌栄より。対照実験から仮説を導く基本問題です。 2007-07-02
頌栄より。対照実験から仮説を導く基本問題です。
サツマイモを半分に切って水栽培をし、芽や根がどこから出るかを調べた。イモができたとき、茎に近かった方をA、その反対側をBとして実験を行ったところ、(1)~(4)のような結果を得た。
(1)Aの上下をそのままにして栽培すると、芽は上から、根は下から出た。
(2)Aの上下をさかさまにして栽培すると、芽は下から出、その根元から根が出た。(3)Bの上下をそのままにして栽培すると、芽は上から、根は下から出た。
(4)Bの上下をさかさまにして栽培すると、芽は下から出、その根元から根が出た。
問)
この実験から分かることを、 (a)芽の出かた (b)根の出かた それぞれについてまとめなさい。
(頌栄中・抜粋)
Aの部分とBの部分の違いはなんでしょうか。
(a)芽は上下の置きかたに関係なく、もともと茎に近かった部分から出る。
(b)根は、もともとの位置に関係なく、下に置いた部分から出る。
芽、根についてそれぞれ(1)~(4)の共通点を探します。
芽の置き方については、上下の置き方に無関係であることがわかる。
ここからは「気付かなくてはいけない」ところではあるが、そもそもAとBの部分は何が異なるかを考えると、
「もともと地中にあったときに茎に近かったかどうか」という点に着目できる。
この点に着目すれば、
切り取る前に最も茎に近かった場所から、芽が出ていることが分かる。
根については、単純に(1)~(4)の共通点を探すことで、下に置いた部分から根が出ていることが分かる。
~今回の問題より導かれる出題校からのメッセージ~
まず仮説をたてる方法を知る
科学の世界では常識であり、ロジカルシンキングの授業でも多く取り上げる「仮設を立てる」というテーマ。
多くの参考書や問題集、また授業でも取り上げられるこの種の問題ですが、
ではどうやって仮説をたてるのかということには全く触れていないのが実情ではないでしょうか。
仮説を立てる重要な方法の1つは「共通点と差異」(同じここと違うこと)に注目することです。
違いを明確にし、対象をグループ分けし、そのグループの中で共通点を探す。
たとえば、A~Dの対象物の共通点がすぐに見つからない。そういった場合、 A~Dの対象物をグループ分けできる差異を見つけ、
そのグループの中で共通点を考えます。
こういった方法論は、たしかに日々の実験や試行錯誤で身につくものですが、まずフレームとして学習する機会を持つべきではないでしょうか。